ウイルス性肝炎の薬物療法(インターフェロン・抗ウイルス薬)

B型肝炎やC型肝炎などに代表されるウイルス性肝炎は薬物療法が治療の中心を担うことになります。肝臓の病気に対する薬物療法は大きく進歩しており、例えば約20年前はインターフェロン(IFN)単独では5%程度しかなったC型肝炎ウイルス(HCV)の排除率ですが、インターフェロンにリバビリン、テラプレビルもしくはシメプレビルを併用する、「3剤併用療法」が行われる現在では、ウイルス排除率は約90%もあるのです。

三剤併用療法でHCVを排除

ウイルスを排除したり、増殖を抑制する働きのあるインターフェロン(たんぱく質の一種)は体内で作られていますが、ウイルス性肝炎などの肝臓病になると体内で生産される量では不十分となるため、インターフェロンを注射して補う必要があります。インターフェロンは肝臓がんの予防効果もあり、B型・C型肝炎ウイルスの治療の中心となっています。

現在では、通常のインターフェロンを改良して効果の長期持続を実現した薬「ペグインターフェロン」が多用されています。インターフェロン療法は単独ではなく、B型肝炎に対しては抗ウイルス薬「エンテカビル」と併用したり、C型肝炎に対しては先述した3剤併用療法が一番効果的とされています。

抗ウイルス薬療法は、ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬を服用する治療法です。C型肝炎はウイルスの完全排除を目指しますが、ウイルスを完全排除することは不可能なB型肝炎の場合は、HBe抗原の陰性化とその状態をキープすることを目的とします。

C型肝炎では、インターフェロンとの併用で効果的な「リバビリン」、C型肝炎ウイルスに特異的に効果を発揮する「テラプレビル」や「シメプレビル」などが使用されます。B型肝炎では、インターフェロンが効果を示しにくい35歳以上の患者さんを主な対象として、B型肝炎ウイルスを減らして肝炎を鎮静化させる「核酸アナログ製剤」という薬を使用します。

リバビリン
インターフェロンと併用することで、C型肝炎ウイルスの増殖を抑える核酸アナログ製剤です。

テラプレビル
C型肝炎ウイルスにのみ効力を示すDAA製剤(プロテアーゼ阻害剤)です。テラプレビルの単独使用ではウイルスが耐性を獲得しやすいので、インターフェロンと併用します。

シメプレビル
DAA製剤の一種で、ウイルスに対する高い排除効果があります。C型肝炎に対してインターフェロンやリバビリンと併用します。

エンテカビル
B型肝炎の治療で使用される頻度が最も高い拡散アナログ製剤です。ウイルスの抑制効果が高く、耐性ができにくいのが特徴です。

ラミビジン
核酸アナログ製剤の一種で、B型肝炎に対して使用されます。薬が効かない耐性ウイルスが現れやすいのが難点です。

インターフェロンと抗ウイルス薬が効果を示さない場合

肝庇護剤の使用
肝炎を抑制し、肝機能を向上させる肝庇護剤(ウルソデオキシコール酸、強力ネオミノファーゲンシー)という薬で、AST(GOT)の数値を改善させます。

少量のインターフェロンを長期投与
通常の薬物療法でウイルスの排除・抑制ができない場合、通常の半分の量のインターフェロンを長期間投与することで、肝炎が肝臓がんに進行するのを防ぐことができる可能性があります。

瀉血(しゃけつ)療法
C型肝炎を発症すると、鉄分が肝臓内に過剰に溜まり細胞膜に障害が起きることがあります。そこで肝炎を悪化させないように、採血をして鉄の量を減らすことがあります。